若手職員からのメッセージ678

福祉の仕事はしんどいことや失敗したことも必ず次に繋がります

Weekly福祉の星 金子さん(社会福祉法人 カトリック京都司教区カリタス会 総合福祉施設 東九条のぞみの園)

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福祉の仕事を選んだきっかけは?

答え

子どもの頃、近所に2学年年下の女の子(Yちゃん)がいました。Yちゃんは軽度の知的障害があったようなのですが、当時の私はそのことを特に気にせず、というより恐らく気付かず、学校でも、地域でも一緒によく遊んでいました。家に行きお菓子を一緒に食べたりもしました。 しかし、Yちゃんが特別支援学級に進級したり、学年が上がると共に同学年の友達から良い顔をされなくなったりしたことで、「一緒にいたくない」と思ってしまいいつの間にか遊ばなくなりました。近所で顔を合わせるのも一方的に気まずくなり、距離を置いたまま成長していきました。 進学につれそのことをすっかり忘れていたのですが、大学で図らずも福祉を学ぶうちに思い出し、胸が締め付けられました。過去への償い、と言うと大袈裟ですが、傷つけてしまったYちゃんと、Yちゃんの家族に詫びたい。「障害だから…」と思ってしまった小学生だった友達に何かを教えたい。そして、過去の自分自身を戒め、償いたい。社会にある様々な障壁のせいで一つの絆が崩れ、心に後悔を残すことのない社会を作りたい。社会を、福祉で変えたい。そういった思いを抱いて福祉の仕事を志しました。高齢者分野に進んだ理由は、また別にあるのですが…。

福祉の仕事の面白いところは?

答え

「人に、ダイレクトに関わっていける」ことです。私たちが向き合っているのは、いつだって「人」。ご利用者の困り事を聴き、一緒に考え、解決策を見出し、打開する。その過程で同僚と相談し、検討し、考察する。それらの中にはいつでも「人」がいます。目の前に相手がいることが、その人の表情を読むことや経過を見ていくことになり、それらを通して自分自身を見ることが出来ます。対人援助をしながら自己覚知や自己研鑽が出来るような気がしています。 とても抽象的になってしまいますが、ご利用者の波が自分に来て、自分の波も相手に及ぶ。その周辺には同僚や、ご利用者のご家族、関係機関の波も行ったり来たりしている。混じり合いながら、また新しい波を作りながら、身を委ねてみたり自分で波を立ててみたりすることがとても楽しいです。

しんどいことはどんなこと?

答え

先に述べたように、この仕事は人との関わり合いです。それが良くも悪くもあるのですが、「しんどいなあ」と感じるのは大体が悪く転ぶときです。 例えば、現場から「これを先方に言っておいてもらわないと困る」と要望がある時。「言うことと、実際にしてもらえるかは別物なんだけど…」と思いながらも、言葉を選びながら丁寧に、慎重にお伝えする。「こういう理由で無理です」という返事。やっぱりな、その理由じゃ仕方ないな、と思いながら、うまいこと、波風立たないように現場に返す。「なんで!ちゃんと言ったの?」と言われる…先方にも、現場にも、お互いの悪い印象を付けることは避けなければならない…荒波が立つときに、どこにもよろけずにしっかりと立つことに神経を使い、頭をフル回転している時にふと「しんどいなあ」とこぼしてしまいます。

これから福祉業界での就職を目指す方へのメッセージ

答え

どんな仕事にしても、100%楽しいだけのものはないと思います。ですが、私が思うに福祉の仕事はしんどいことや失敗したことも必ず次に繋がります。 人相手のことなのだから、思うようにいくことなんてないことが当たり前。そんな中で、いかに専門性をもってご利用者に寄り添えるかが不可欠です。でも、「もう嫌だ」と思うこともあるかもしれない。そんな自分を否定せず受け入れて、その感情にどう向き合い、支援者の顔をするか。そして、その工程を繰り返すうちに、自分でも気が付かないうちに成長しているような気がします。振り返れば、しんどかったことも失敗したこともひっくるめて「楽しかった」に出来るのは自分自身。自分の軸さえしっかり持っていれば、なんとでもなる仕事なので、ある意味やりやすい仕事だと思います。 ただ、福祉を志す人はプライベートにも仕事を持ち込んでしまい、いつでも頭の中はご利用者…という人が少なくないと思います。そうなってしまうと視野が狭くなったり、心がしんどくなったりと負の連鎖に陥ってしまうので、プライベートはプライベートで割り切ること、趣味を持ったり余暇の過ごし方を確立できているほうが良いと思います。私が社会人間もない頃に言われたことは、「職場以外に軸足をしっかり置いておきなさい」です。

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